60年以上岡山の建築を支えてきた重藤組。同社で施工管理者として働く面白さとやりがいとは
written by ダシマス編集部
「超岡山志向」の建設会社として、1962年創業以降、岡山で数々の建築を手がけてきた株式会社重藤組(以下:重藤組)。学校、病院、消防署、商業施設など、岡山県民にとって必要なあらゆる建築を手がけ、地域に貢献してきました。2022年に創業60周年を迎えています。
今回はそんな同社の建築部にて、施工管理者として活躍する山﨑 裕貴(やまざき ゆうき)さんに取材。施工管理という仕事の内容ややりがい、職場の雰囲気などを伺いました。
建築部 主任:山﨑 裕貴(やまざき ゆうき)さん
島根県出身。松江工業高校から広島工業大学へ。同大学の環境学部環境デザイン学科を2014年に卒業し、重藤組に就職。施工管理の役割を担い、数多くの現場を担当。2023年で9年目となる。趣味は社会人になった今でも続けているバレーボール。
取材・執筆:大久保 崇
『ダシマス』ディレクター。2020年10月フリーランスのライターとして独立。2023年1月に法人化し合同会社たかしおを設立。“社会を変えうる事業を加速させ、世の中に貢献する”をミッションとし、採用広報やサービス導入事例など、企業の記事コンテンツの制作を支援する。猫ファーストな人生。歩くこと、食べることが好き。
施工管理で大事なのはコミュニケーションと調整力
――今日はよろしくお願いします!まずは山﨑さんが入社してから今に至るまで、どのようにお仕事をされてきたのか教えてください。
施工管理者として入社し、1年目は小学校の新築工事を担当しました。それから工場や幼稚園なども経験し、4年目の時に現場を丸々任されるように。ただその時はまだ正式な所長としてではなく、お金まわりのことは会社が進め、実務的な現場の管理をまずは任せてもらった、という形です。それ以降、所長を任されるようにもなり、やりがいのある現場が増えました。
2023年4月から主任になったので、今後はもっと規模の大きな建物の現場を任されるようになりたいと思っています。
――施工管理というのは日頃どういうお仕事をされているのでしょうか。
施工管理者は建物の完成図を想像し、実際に建物を仕上げていくまでの流れを考えたり、必要な材料の選定などを行ったりします。また、工事に必要な工程表の作成や人の手配、実際の現場で作業員さんが怪我をしないよう安全管理を行うのも大切な仕事です。
今は保育園の現場を担当しているのですが、他にはスーパーやドラッグストア、小学校やビジネスホテルなどを担当したこともあります。僕たちが手がける建物は工期が半年から1年以上かかってしまうものが多く、一戸建てと違い期間の長い現場が大半ですね。
――山﨑さんが仕事をするうえで大事にしていることを教えてください。
コミュニケーションです。施工管理者は自分が現場でものをつくるわけではなく、他の人の力を活かして間接的に関わる立場にあります。なので人とのコミュニケーションというところはとても大事にしていますね。
ここがこの仕事の楽しいところでもあり、難しいところでもあります。特に気を遣うことなく自然と話せる人もいれば、自分とは考え方が違っていて言葉を選ばないと作業が進まない人など様々な人がいます。そのようなところも含めて、誰かと関わりながらものづくりをするのはすごく楽しいので、誰とでも分け隔てなくコミュニケーションを取るようにしています。
――皆さんの状況に目を配り、調整する人がいるから工事も順調に進むのですね。
そうですね。あと工事が進んでいる間も、お施主さんやお客さんに印象良く思ってもらえるように振る舞うのも大事です。こうした方々とのコミュニケーションも施工管理者の大事な役割。とはいえ、決まった予算の中で対応できることには限りがありますから、お施主さんやお客さんから「もっとこうしたい」と追加で要望があった場合でも、二つ返事で了承はせず冷静に考えて対応しないといけません。
予算内でどうやりくりするかを考えて図面をつくり、現場を整え、人を手配する。現場の人からお客さんまで、いろんな立場の人と接するので調整が難しい場面も少なくありませんが、そこにやりがいがあると感じています。
――施工管理者も図面をつくることがあるのでしょうか。
建物内の導線など、基本的な構造を考えてつくるのは設計士さんです。メインの図面ができたあと、細かなおさまりなど実際の現場と照らし合わせて考えていくのが僕達ですね。
例えば設計士さんが書いた図面で「ここの壁には10センチの幅がある」といった記載があるとします。その10センチの中にはクロスやボード、下地などがあるのですが、実際に確かめてみると下地とボードがその10センチの中に収まらない場合もあるんです。こうした確認作業をして、図面に手を加えていきます。
――設計士さんがつくられた図面をもとに、山﨑さんのような立場の人が実際に建てられるのかどうかを確かめて図面を仕上げていくと。
そうです。自分の頭の中には大体の材料の寸法、収まりが入っているので、それをもとに確認しています。
若手が働きやすい職場。プライベートでも仲のいい人が多い
――会社の雰囲気などについてもお伺いしたいのですが、重藤組では主にどの年代の方々が働かれていますか。
僕が所属している建築部は、20代も多く年齢層が若いと思います。多分、平均年齢は30歳から40歳の間かと。この業界で大きなゼネコンだと、所長になる方は40代や50代の人が多いのですが、うちの会社では30代や40代前半が結構多いですね。今、新しい若い人もどんどん入社してきてくれています。そういう面でも、若い世代にとって働きやすい雰囲気があると思います。
――山﨑さんご自身は重藤組のどういうところに惹かれて選ばれたのでしょうか。
僕の場合は大学の先生の紹介だったのが大きかったですね。実は学生の頃は設計志望だったのですが、先生に「設計をするならまずは施工管理を経験しろ」と言われたんです。それで何社か紹介してもらい、実際に会社の人と話をしてインスピレーションというのか雰囲気がいいところを選んだ結果、重藤組に入社しました。
最終的にはやはり「どんな人がいるか」で選んだのだと思います。実際に会ってみて、現場の空気とかを感じるのは大事なことですね。
だから今は逆の立場として、見学に来てくれた人達に現場の空気や雰囲気をしっかりつかんでもらえるように心がけています。基本的にはいいところばかりを見せたいのですが、「しんどいこともあるよ」と伝えることも大事にしています。わかりやすい例をあげると、今の時期(取材時:2023年7月)のようにかなり暑いなかでも外に出ないといけないことがあるなどです。
建物を建てる上で基礎は、建物の土台であり非常に重要な要素になります。その土台は、基本どの建物でも鉄筋とコンクリートで構成されているのですが、その中の鉄筋は建物が完成した際には見えません。いわゆる隠蔽部というのですが、建物が完成した際、隠れて見えない箇所の写真を撮影していないと建物の欠陥を疑われる可能性があります。そういった疑念が生じることの無いよう、鉄筋の本数・間隔を写真で撮影し、記録として残しておく必要があります。その際は、施工時期にもよりますが炎天下だろうと関係なく必要なものなので、今の時期の工事だとちょっとしんどいかなと。
――管理とはいえ、基本は現場仕事だから体力勝負なところも勿論あるよと。
あります。そして管理する側としては、現場が暑いということを十分に理解しつつ職人さん達にも気を配らないといけません。だから自分で現場に足を運んで写真も撮るのも大事なことです。特に入社したての頃は、現場を実際に見て感じて覚える必要があるので、パソコンとにらめっこしてできる仕事ではないですね。ただ、これはうちの会社に限らず、どのゼネコンでも同じですが。
――施工管理という役割を担うなら、その点はどこでも同じということですね。
そうです。あとは仕事をしながら資格取得にむけた勉強もしないといけないので、人によっては少し大変だと感じられるかもしれません。
でもうちの会社に関しては、勉強する時間をつくることにみんなが協力的です。現場から帰ってきて自分の仕事がなかったときなど、「今の時間、勉強にあてなよ」みたいに声をかけてくれることもあります。
――先ほど20代など若い世代も多いとおっしゃっていましたが、皆さんはプライベートでも仲良くされているのですか。
仲は良いと思います。僕もゴルフやスノボ、釣りに行くこともあります。社内で仲が良い人と行ったり、現場で配属された人達と意気投合して一緒に行ったりするときもあります。
――それは楽しそうです。山﨑さんは休みの日も外に出られることが多いんですね。
そうですね。週末は主にバレーボールをしていて、ゴルフの練習に行くこともあります。釣りは最近行ってないですが、家にいるよりも外に出て何かしていることが多いですね。
話すことが好きで人間関係を大切にする人は施工管理者に向いている
――山﨑さんはどんな人が施工管理に向いていると思いますか。
話が好きで人間関係をしっかりつくろうとする人は向いていると思います。管理の仕事は関わる人が多く、中には強い口調で話をされる人と仕事をすることもあります。話好きで人間関係を大事にする人なら、誰とでもコミュニケーションを取れるでしょうし、そうした口調の人にあってもきちんと対応できるでしょう。
僕自身も仕事を楽しくしたいと思っているので、どんな人とでも積極的によく話すようにしています。誰とでも明るく楽しそうに話していると、何か質問があるときは気兼ねなく自分に聞いてくれるし、ちょっとした頼みごととかもされるようになります。こうした信頼関係ができていくと、自分を中心に輪が広がっているような感覚があってすごく楽しいです。
何年も勤めていたら過去の現場で同じだった方と再会することもあります。どの現場でいつ出会っても、気持ちよく一緒に仕事ができるように人間関係をつくっておける人は向いていると思いますね。
――色々と聞かせていただきありがとうございました!最後にこの記事を読む求職者の方へ向けて一言お願いします。
建設系の仕事に興味がある、もしくはどうしようか迷っているのであれば、企業説明会や現場見学など気軽に応募してみてください。色んなイベントに参加してみるのはいい経験だと思います。うちの会社でも、説明会や見学の受け入れはしているので興味があればぜひ。
若い世代が増えることは会社のためにもなるし、なにより仲間が増えるのは嬉しいことなのでみんな喜んで受け入れてくれます。最初は緊張すると思いますが、良い人が多い会社なので安心して問い合わせてみてください。
株式会社重藤組について
・ホームページ:https://shigeto.co.jp/
・採用情報:https://hr-hacker.com/shigeto